2012年 11月 28日
恋のメカニズム |
恋のメカニズム。
つまり、私たちを性的に興奮させるものとはなんなのか、という問いである。
ある本には、この問いにこう答えている。
「ヒトは匂いで欲情する」
例えば、心理学者のレイチェル・ヘルツ博士の著作『欲望の香り』の中に、次のような一節がある。
では、どのような匂いを好むのか。
僕が今用いている本は、女性目線で書かれているので、女性の例しか出せないのだが、女性は、自分の免疫システム、ことにも、HLA(ヒト白血球型抗原)が異なる匂いを選ぶことが、実験でわかっているらしい。
HLAとは、遺伝子の組み合わせを担当するプログラマー的働きをする遺伝子である。そして、その働きの目的は、免疫システムの構築、つまり、感染症に対する抵抗力と感染しても克服できる強さを、備えさせることにある。そして、このHLA遺伝子の組み合わせは、数百万のヴァリエーションがあり、それが多様であればあるほど、頑強かつ柔軟な免疫システムを備えていることになる。
つまり、強い免疫システムを作り上げるには、自分とは異なるHLAシステムを持つ相手を選ぶ必要が出てくるのだ。そして、その相手選びのキーとなるのが、匂い、というわけである。
似通いすぎているHLAの組み合わせ(例えば、近親相姦など)では、逆に、弱い免疫システムしか持てない。いや、それ以上に、遺伝的な病気を持って生まれてくるケースが多くなる。逆に、違いすぎる組み合わせも、いいとは言えないそうだ。
さて、女性の場合、また違うファクターでもって考える必要も出てくる。
なぜなら、女性は、月経サイクルによって、例えば一ヶ月の間でも、性的魅力を感じる男性に、違いが出てくるからだ。大雑把に言ってしまえば、排卵期は、比較的マッチョで、色の浅黒い男性に性的魅力を感じるらしい。一方、排卵期以外においては、やさしい顔立ちで、落ち着いた物腰の男性を求めるらしい。つまり、まとめると、こうなる。女性は、排卵期においては、性交相手(よい遺伝子も持っている男性)を探しており、それ以外は、「配偶者」を探している。
ところで、なぜ、マッチョで色の浅黒い男性に性的魅力を感じやすいのか。
それはひとえに、色が浅黒い男性の方が、より健康な精子を持っている可能性が強いからだそうだ。葉酸という栄養素レベルが高い男性は、健康な精子を持っている可能性が高いそうだ。健康な精子とは、「異数体」という、染色体の不足・過剰による異常の割合が低い精子のことだ。
話を元に戻すと、紫外線は、葉酸を破壊することがわかっている。そこで、色の浅黒い人は、メラニン細胞のブロックにより、破壊を免れるわけである。まとめると、男性の皮膚が黒いほど、紫外線から保護されることになり、そうすれば葉酸は破壊されず、より健康な精子を作ることができる、ということだ。
また、男女同じく、「対称性」に「美」を感じるということは、どうやら真実らしい。自然界で「対称性」は、生存の領域でも重要なキーとなっている。例えば、蝶々は、左右対称な羽がなければ、うまく飛べないので、すぐに捕食されてしまう。自然界を見渡してみたところ、ヤマトシリアからクジャクまで、ハサミムシからキンカンチョウまで、皆、左右対称の個体を好むという研究結果が出ている。
ところで、恋のメカニズムを促進するもの、といえば、やはりキスを思い浮かべるのではないだろうか。
動物学者のデズモンド・モリスは、1960年代に、キスは、霊長類の「噛みくだし」が進化したものではないか、という仮説を打ち出した。母親が、離乳期にある赤ちゃんに、自分が一度噛み砕いてやった食べ物を与える、という行為である。もののけ姫で、そういうシーンがあったと記憶している。
だが、どの社会もキスをするわけではない。
かのチャールズ・ダーウィンは、『人および動物の表情について』で、次のように書いている。
これはおそらく、イヌイット族や、マオリ族で行われてきた「クーニック」という行為を指しているそうだ。
さて、キスが習慣になっている社会では、キスは重要なターニングポイントになっている。つまり、キスがよかったかどうかで、恋が加速していくか、消滅するかが決まるというのである。
まさに、キスに帰す、といったところか。
うーん、こういう駄洒落ばっかり言っている男は、やはり、葉酸が少なく、もてない「匂い」をふりまいているのだろうか。
濃い文章でごめんね。
つまり、私たちを性的に興奮させるものとはなんなのか、という問いである。
ある本には、この問いにこう答えている。
「ヒトは匂いで欲情する」
例えば、心理学者のレイチェル・ヘルツ博士の著作『欲望の香り』の中に、次のような一節がある。
私は今の夫のにおいをかいだ瞬間、「あ、私はこの人ときっと結婚する」と直感した。
では、どのような匂いを好むのか。
僕が今用いている本は、女性目線で書かれているので、女性の例しか出せないのだが、女性は、自分の免疫システム、ことにも、HLA(ヒト白血球型抗原)が異なる匂いを選ぶことが、実験でわかっているらしい。
HLAとは、遺伝子の組み合わせを担当するプログラマー的働きをする遺伝子である。そして、その働きの目的は、免疫システムの構築、つまり、感染症に対する抵抗力と感染しても克服できる強さを、備えさせることにある。そして、このHLA遺伝子の組み合わせは、数百万のヴァリエーションがあり、それが多様であればあるほど、頑強かつ柔軟な免疫システムを備えていることになる。
つまり、強い免疫システムを作り上げるには、自分とは異なるHLAシステムを持つ相手を選ぶ必要が出てくるのだ。そして、その相手選びのキーとなるのが、匂い、というわけである。
似通いすぎているHLAの組み合わせ(例えば、近親相姦など)では、逆に、弱い免疫システムしか持てない。いや、それ以上に、遺伝的な病気を持って生まれてくるケースが多くなる。逆に、違いすぎる組み合わせも、いいとは言えないそうだ。
さて、女性の場合、また違うファクターでもって考える必要も出てくる。
なぜなら、女性は、月経サイクルによって、例えば一ヶ月の間でも、性的魅力を感じる男性に、違いが出てくるからだ。大雑把に言ってしまえば、排卵期は、比較的マッチョで、色の浅黒い男性に性的魅力を感じるらしい。一方、排卵期以外においては、やさしい顔立ちで、落ち着いた物腰の男性を求めるらしい。つまり、まとめると、こうなる。女性は、排卵期においては、性交相手(よい遺伝子も持っている男性)を探しており、それ以外は、「配偶者」を探している。
ところで、なぜ、マッチョで色の浅黒い男性に性的魅力を感じやすいのか。
それはひとえに、色が浅黒い男性の方が、より健康な精子を持っている可能性が強いからだそうだ。葉酸という栄養素レベルが高い男性は、健康な精子を持っている可能性が高いそうだ。健康な精子とは、「異数体」という、染色体の不足・過剰による異常の割合が低い精子のことだ。
話を元に戻すと、紫外線は、葉酸を破壊することがわかっている。そこで、色の浅黒い人は、メラニン細胞のブロックにより、破壊を免れるわけである。まとめると、男性の皮膚が黒いほど、紫外線から保護されることになり、そうすれば葉酸は破壊されず、より健康な精子を作ることができる、ということだ。
また、男女同じく、「対称性」に「美」を感じるということは、どうやら真実らしい。自然界で「対称性」は、生存の領域でも重要なキーとなっている。例えば、蝶々は、左右対称な羽がなければ、うまく飛べないので、すぐに捕食されてしまう。自然界を見渡してみたところ、ヤマトシリアからクジャクまで、ハサミムシからキンカンチョウまで、皆、左右対称の個体を好むという研究結果が出ている。
ところで、恋のメカニズムを促進するもの、といえば、やはりキスを思い浮かべるのではないだろうか。
動物学者のデズモンド・モリスは、1960年代に、キスは、霊長類の「噛みくだし」が進化したものではないか、という仮説を打ち出した。母親が、離乳期にある赤ちゃんに、自分が一度噛み砕いてやった食べ物を与える、という行為である。もののけ姫で、そういうシーンがあったと記憶している。
だが、どの社会もキスをするわけではない。
かのチャールズ・ダーウィンは、『人および動物の表情について』で、次のように書いている。
世界のさまざまな地域で、キスに替えて鼻をこすりつけあう行為が見られる
これはおそらく、イヌイット族や、マオリ族で行われてきた「クーニック」という行為を指しているそうだ。
さて、キスが習慣になっている社会では、キスは重要なターニングポイントになっている。つまり、キスがよかったかどうかで、恋が加速していくか、消滅するかが決まるというのである。
まさに、キスに帰す、といったところか。
うーん、こういう駄洒落ばっかり言っている男は、やはり、葉酸が少なく、もてない「匂い」をふりまいているのだろうか。
濃い文章でごめんね。
by boku-watashi
| 2012-11-28 19:37
| エッセイ